はじめに
「福岡大学医学部の英語は、他の私立医に比べて標準的だから対策が簡単」——そう考えているなら、今すぐその認識を改めてください。
福岡大学医学部の英語は、2009年度から他学部とは別の専用問題が出題されています。2025年度の1次試験合格最低点は281/400点(70.3%)。志願者数は2,593名と激増し、1点が合否を分ける超高得点勝負になっています。
本記事では、予備校講師として20年以上、医学部受験生を指導してきた筆者が、2013年度から2025年度までの過去問を徹底分析。「標準問題」という名の落とし穴を回避し、英語で90%以上を確実に取るための戦略をお伝えします。
福岡大学医学部 英語入試の特徴
福岡大学医学部の英語を攻略する上で、最初に理解すべき事実があります。
試験概要(時間・配点・合格最低点)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験時間 | 70分 |
| 配点 | 100点(総合400点中) |
| 2025年度1次合格最低点 | 281/400点(70.3%) |
| 2025年度志願者数 | 2,593名 |
この数字が示すのは、「解ける」レベルでは不十分だということです。他の受験生も解ける問題で、いかにミスをゼロにするか。それが合否を分けます。

他学部との違い
福岡大学医学部医学科の英語は、2009年度入試から他学部とは別の専用問題が出題されています。問題冊子には「医療・保健系統(医学部医学科受験者用)」と明記されており、他学部とは異なる冊子が配られます。
出題形式(大問構成)は他学部の系統別日程と類似していますが、難易度は医学部の方が高く設定されています。特に2013年度以降、長文問題の総語数が大幅に増加しており、求められる精度も高くなっています。
形式が似ているため、練習用として他学部の過去問(系統別日程)に取り組むことも有効です。ただし、最終的な仕上げは必ず医学部の過去問で行いましょう。
2026年度の動向
2025年度は他大学との試験日重複が東海大学のみだったため志願者が激増しました。2026年度は東海大学に加え、杏林大学とも重複します。
受験生の動向が分散する可能性はありますが、問題の「標準化」と「高得点勝負」の性質は変わりません。油断は禁物です。
大問構成と時間配分戦略
5つの大問の概要
| 大問 | 内容 | 形式 | 配点目安 |
|---|---|---|---|
| I | 英文和訳 | 記述式(1箇所) | 20点 |
| II | 長文読解 | 10択から4つ選択(内容真偽) | 30点 |
| III | 文法・語法 | 4択・不適切選択 | 20点 |
| IV | 発音・アクセント | マーク式 | 10点 |
| V | 整序英作文 | 不要語1語を含む並べ替え | 20点 |
70分で満点を狙う時間配分
| 大問 | 目安時間 | 攻略ポイント |
|---|---|---|
| I(英文和訳) | 15分 | 構文把握に時間をかけすぎない。訳出は簡潔に |
| II(長文読解) | 25分 | 最重要。選択肢照合に十分な時間を確保 |
| III(文法・語法) | 10分 | 知識問題。迷ったら飛ばして後で戻る |
| IV(発音・アクセント) | 5分 | 即答が理想。深追いしない |
| V(整序英作文) | 10分 | 構文を先に確定させ、不要語を特定 |
| 見直し | 5分 | マークミス・記述の誤字脱字をチェック |
戦略の核心: 大問II(長文)と大問I(和訳)に計40分を確保し、知識系問題は25分以内で処理することが理想です。
大問別 徹底攻略法

大問I:英文和訳
傾向: 文法構造は標準的ですが、採点は厳格です。「理性」「知識」など抽象概念の定義を扱う文章では、論理関係を損なう訳は減点対象となります。
頻出構文:
- 比較構文(the more…, the more…)
- 無生物主語
- 倒置
攻略法: 一語一句の品詞分解を丁寧に行い、「日本語として自然かどうか」まで確認しましょう。機械的な直訳では高得点は望めません。
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大問II:長文読解(10択4選)
傾向: 10個の選択肢から合致する4つを選ぶ形式です。選択肢が英文で記述されており、本文との細かな照合が求められます。
よくある引っかけ:
- 歴史的事実のすり替え
- 因果関係の逆転
- 数値・固有名詞の誤り
攻略法:
- 段落ごとの要旨をメモする
- 選択肢の「主語・動詞・目的語」が本文と一致しているか機械的にチェック
- 「だいたい合ってる」は不正解と心得る
大問III:文法・語法
傾向: 「不適切なものを選ぶ」形式が頻出。さらに「すべて適している場合は5を選べ」という選択肢が含まれる年度もあります。
心理的罠: 5番の存在により、「自分の知識不足では?」という疑念が生じやすく、正答率が下がります。
頻出事項:
| カテゴリ | 具体例 |
|---|---|
| 否定比較 | none the better for |
| 語法の違い | remind vs remember |
| 自動詞・他動詞 | discuss about(×)、resemble to(×) |
攻略法: 『Next Stage』『Vintage』などの網羅系問題集を完璧に仕上げ、即答できるレベルまで反復しましょう。
大問IV:発音・アクセント
傾向: 医学部入試では珍しい「必出」項目です。最も強く発音する音節の母音が同じものを選ぶ形式。
頻出語例: certificate、magnificent など多音節の学術語
攻略法:
- 単語帳を「見る」だけでなく「聞く」学習に切り替える
- アクセント規則を体系的に整理する
- ここでの失点は絶対に避ける
大問V:整序英作文
傾向: 「不要な語が1つ含まれる」ことが最大の特徴です。
出題例: not so much A as B の構文で、不要語として out が混入
攻略法:
- 日本語から必要な構文を先に確定させる
- 残った単語がなぜ不要なのか論理的に説明できるまで演習する
頻出構文:
- 強調構文(
It is not until...) - 仮定法(
If it had not been for...) - イディオム(
take it for granted)
過去問テーマ分析(2013-2025)
福岡大学の長文・和訳テーマは、単なる医療系に留まらず、学際的で抽象度の高い文章が選定される傾向にあります。
年度別テーマ一覧(2013-2025)
| 年度 | 大問I(和訳) | 大問II(長文) |
|---|---|---|
| 2025 | 合理性(Rationality)の定義 | 共同生活(シェアハウス) |
| 2024 | 19世紀英国の定期刊行物とスポーツ | フィレンツェの「ワインの窓」 |
| 2023 | 脳のパラドックスとエネルギー消費 | 洋上風力発電と水素生成 |
| 2022 | 「賢さ(Wisdom)」の定義 | 自動化とベーシックインカム(UBI) |
| 2021 | 夢と感情の関係 | イルカの協力行動 |
| 2020 | チェスプレイヤーの哲学 | 昆虫に対する嫌悪とハチの重要性 |
| 2019 | 批判への対処法 | セシル・B・デミルの「失われた都市」 |
| 2018 | 手洗いの重要性と実態 | 言語・感情と絵文字(Emoji) |
| 2017 | 日本の労働観と休日 | ベッシー・コールマンの生涯 |
| 2016 | スーパーマーケットへの距離と健康 | 旅と読書の結びつき |
| 2015 | 求愛行動とバンジージャンプ | タウング・チャイルドの謎 |
| 2014 | 推論(Reasoning)の能力 | 子供とテクノロジー |
| 2013 | 加齢による身体的変化 | 食事と脳の働き |
傾向の分析
大問I(和訳)の特徴:
- 抽象的な概念(合理性、知恵、批判など)の定義
- 社会科学的なトピック(労働観、健康調査など)
- 文構造を正確に把握する力が問われる
大問II(長文)の特徴:
- 自然科学(脳、イルカ、ハチ)
- 歴史・文化(映画セット、パイロットの伝記)
- 社会問題(UBI、テクノロジー)
- 医療系に限らず幅広い分野から出題
- 近年は時事的な話題も増加傾向
英検活用で差をつける

福岡大学医学部における外部検定利用は、単なる「加点」ではなく、他科目のリスクをオフセットする保険です。
加点方式の仕組み
福岡大学の共通テスト利用入試では、明確なポイント加点が可能です。
| 資格 | 加点 |
|---|---|
| 英検準1級(CEFR B2以上) | 40点 |
| 英検2級(CEFR B1以上) | 20点 |
※共通テスト英語の満点(200点)を上限とします。
準1級取得の戦略的メリット
英検準1級を早期に取得する最大の価値は、直前期の時間資源を確保できることです。
✅ 共通テスト英語の8割〜満点付近を事前に確定できる
✅ 12月以降、数学・理科の難問対策にリソースを集中できる
✅ 精神的な余裕が生まれる
この「時間管理上の優位性」こそが、倍率14倍を超える激戦を制する王道です。
合格への年間学習ロードマップ
合格最低点が7割を超える現状、英語で9割を確保するためのスケジュールです。
春〜夏(基礎構築期)
- 文法・語法: 網羅系文法書(Next Stage/Vintage)を完璧に周回
- 英検対策: 準1級を取得し、40点の加点権を確保
- 単語: 医療系・社会科学系の語彙を強化
秋(実戦演習期)
- 長文読解: 300〜500語程度の標準長文を毎日1題
- 発音・アクセント: 集中トレーニング期間を設ける
- 背景知識: 学際的なテーマの記事(英字新聞など)を読む
冬(精密化期)
- 過去問演習: 「70分・ミスゼロ」の極限シミュレーション
- 弱点補強: 分析に基づく集中対策
- 併願校対策: 2026年度の試験日重複(東海・杏林)を考慮
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まとめ
福岡大学医学部に合格するために必要なのは、天才的な閃きではありません。
「誰もが解ける問題を、1点も、1秒も無駄にせずに解き切る精密さ」
これが、合格最低点7割超え、倍率14倍という激戦を制する唯一の方法です。
過去問演習で「たまたま合っていた」は不正解と同じ。なぜその選択肢が正解なのか、なぜその訳語を選んだのか。その根拠を他人に説明できるまで突き詰めてください。
医学部合格の扉は、基本を究極まで突き詰めた人にこそ開かれます。
一語一句を大切にして、福岡大学医学部合格を目指しましょう。
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