共通テストが終わった日の夜、獣医志望の受験生は2つに分かれます。翌日から二次の英語を38日間続ける人と、英語をもう一度も開かない人です。医学部の直前期を扱った記事は、英語をどう仕上げるかという前提で書かれています。獣医は事情が違います。獣医学科を置く国公立10校のうち、前期の個別学力検査に英語があるのは半分だけで、残りは課されないか、選び方で決まるからです。自分がどちらかを知らないまま1月を迎えると、やらなくていい38日を使うか、やるべき38日を失います。本記事は、共通テスト後の期間を志望校のタイプ別に設計します。
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まず、自分が英語を何日やるのかを確定させる

2027年度入試の日程は、大学入学共通テストが2027年1月16日と17日、国公立大学の前期日程が2027年2月25日、後期日程が3月12日です。共通テストの翌日から前期の前日までを数えると、38日あります。
この38日が、志望校によって0日にも38日にもなります。国公立獣医10校を、前期の個別学力検査における英語の扱いで分けると次の3つです。
| タイプ | 大学 | 二次の英語 | 共テ後の英語 |
|---|---|---|---|
| A 必答型 | 北海道・帯広畜産・東京農工・鳥取・大阪公立 | 全員が解く | 38日 |
| B 区分・選択型 | 鹿児島・宮崎 | 選び方で変わる | 0日または38日 |
| C 英語なし型 | 岩手・岐阜・山口 | 課されない | 0日 |
半分の大学では全員が二次で英語を解きますが、残り半分は事情が違います。直前期の計画を立てる前に、ここを確定させてください。分類の根拠と各校の配点は、次の記事に10校分まとめています。

なお入試科目と配点は毎年変わります。本記事の内容は傾向を示すためのものですので、出願にあたっては必ず各大学が公表する最新の学生募集要項で確認してください。
Gou1月に入ってから「二次に英語ってありましたっけ」と聞かれたことが何度もあります。この確認は12月までに終わらせておいてください。1月18日の朝に迷っている時間が、そのまま失点になります。
タイプC(岩手・岐阜・山口): 共通テスト後、英語は0日です
岩手大学の共同獣医学科、岐阜大学の共同獣医学科、山口大学の共同獣医学部。この3校は前期の個別学力検査に英語がありません。岩手は二次が数学と理科で400点、山口も数学200点と理科200点という構成とされています。岐阜は2025年度から二次が数学と理科の2教科になり、英語が課されなくなったとされています。
この3校を第一志望にしていて、併願先にも英語を課す大学がないなら、共通テストが終わった時点で英語は完全に終了です。38日はすべて数学と理科に使ってください。
ただし、終える前に2つだけ確認します
1つ目は併願先です。私立獣医を受けるなら英語は続きます。後述しますが、私立5校はいずれも英語が必須です。
2つ目は出願変更の可能性です。共通テストの結果を見て志望校を変える場合、変更先がタイプAだと英語が復活します。自己採点の結果によって出願先を変える可能性が少しでもあるなら、変更候補の大学に英語があるかどうかを、1月17日の夜までに調べておいてください。この確認を後回しにすると、出願を決めた時点で残り日数が減っています。
英語が0日になるのは、あくまで二次の話です。共通テストの英語は全員が受けます。二次で挽回できないぶん、共通テスト本番の英語1点の重みはむしろ増します。


タイプA(5校): 38日の中身は、大学によって別物です
北海道大学、帯広畜産大学、東京農工大学、鳥取大学、大阪公立大学。この5校は全員が二次で英語を解きます。ただし38日で仕上げるべきものは、5校でまったく違います。
| 大学 | 直前期に効くもの | 理由 |
|---|---|---|
| 北海道大学 | 英語の得点を数学と同じ重さで扱う | 個別450点のうち英語150点で数学と同額。面接の配点がない |
| 帯広畜産大学 | 英語は必答という前提で科目選択を固める | 総合問題450点で5科目から3科目選択だが、英語だけは選択の対象外とされる |
| 東京農工大学 | 時間内に読み切る訓練 | 60分で大問3題、総語数およそ1900語。単語は平易で時間だけが厳しい |
| 鳥取大学 | 200点ぶんの取りこぼしをなくす | 英語200点。ペア校の岐阜が英語をなくした一方、鳥取には残った |
| 大阪公立大学 | 和文英訳を書き切る | 60分で長文2題と和文英訳。同大学の医学部が100分であることを考えると時間の余裕が違う |
直前期に新しい問題集を始めてはいけない、という一般論があります。獣医のタイプAに関しては、少し修正が必要です。東京農工大学のように処理速度が問われる大学では、38日の前半に「時間を計って読み切る」演習を新しく入れる価値があります。知識を足すのではなく、同じ知識を速く使う訓練だからです。
38日を3つに割る
タイプAの標準的な配分は次の通りです。日数は前期までの38日を基準にしています。
| 期間 | 日数 | やること |
|---|---|---|
| 第1ブロック | 1月18日から1月31日まで(14日) | 共通テスト形式から二次形式へ頭を切り替える。志望校の過去問を時間を計って2年分 |
| 第2ブロック | 2月1日から2月14日まで(14日) | 形式別の弱点だけを潰す。和訳、英作文、速読のうち失点が集中したもの1つに絞る |
| 第3ブロック | 2月15日から2月24日まで(10日) | 新しい問題は解かない。解いた過去問の復習と、当日の時間配分の確定 |
第1ブロックで最も多い失敗は、共通テストの疲れを抜こうとして3日から4日休むことです。休むなら1日にしてください。共通テスト形式の速読と、二次の精読や記述は使う筋肉が違うので、切り替えには時間がかかります。切り替えが遅れると第2ブロックが消えます。
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タイプB(鹿児島・宮崎): 自己採点が出てから決める人へ
鹿児島大学と宮崎大学は、受験生の選び方で英語の重さが変わります。そして選ぶタイミングが、ちょうど共通テストの直後に来ます。
鹿児島大学の共同獣医学部は、同じ前期日程に前期aと前期bの2区分があります。前期aは共通テスト920点に個別600点、前期bは共通テスト460点に個別1200点とされています。二次の英語は前期aで200点、前期bで400点です。同じ大学の同じ日程で、英語の配点が倍違います。
宮崎大学の農学部獣医学科は、個別学力検査が数学・理科・外国語から2科目選択です。英語は必須ではありません。選べば総合のおよそ29パーセント、選ばなければおよそ14パーセントになります。
決め方は「共テの出来」ではなく「英語の伸びしろ」で
自己採点の結果が良ければ共通テストの比重が高い区分、悪ければ個別の比重が高い区分。そう考えるのが自然ですが、それだけで決めると直前期の38日を捨てることになります。
判断材料をもう1つ足してください。12月までの模試と過去問で、英語と理科のどちらの失点が「形式のせい」だったかです。形式のせいで落としている科目は、38日で戻ります。理解不足で落としている科目は、38日では戻りません。
戻る側の科目が英語なら、英語の配点が重い区分を選ぶ価値があります。逆に英語の失点が単語力や構文把握の不足から来ているなら、38日での回復は見込みにくいので、英語の軽い選び方にしてください。
この判断は1月18日か19日には終わらせます。迷ったまま両方に備えると、どちらにも足りません。
私立を併願しているなら、38日は38日ではありません
私立獣医は5校です。日本獣医生命科学大学、日本大学、麻布大学、北里大学、岡山理科大学。いずれも英語は必須で、一般選抜は例年1月下旬から2月上旬に集中します。正確な試験日は年度ごとに変わるので、必ず各大学の募集要項で確認してください。
ここで起きるのが、日数の目減りです。私立を3校受けると、試験日そのもので3日、前日の移動と調整で3日、終わった日の消耗を考えるとさらに数日。38日のうち10日前後が実質的に失われます。国公立タイプAで私立も3校という人は、38日ではなく28日程度で設計してください。
救いは、形式が近い大学があることです
私立5校は英語の形式で4タイプに分かれます。長文集中・精読型(日本獣医生命科学大学・酪農学園大学)、多問速解型(日本大学)、高得点勝負型(北里大学)、記述・基礎型(岡山理科大学)です。
国公立の志望校と形式が近い私立を選んでいれば、私立の対策がそのまま国公立の演習になります。たとえば東京農工大学のような処理速度型を第一志望にしているなら、日本大学の多問速解型は同じ訓練になります。逆に、大阪公立大学の和文英訳を控えているのに、私立をすべてマーク式で固めていると、記述の感覚が2月に入ってから鈍ります。
併願校の形式がバラバラな場合は、第3ブロック(2月15日以降)に記述の練習を必ず1つ残してください。マーク式の試験が続いたあとに記述式の本番を迎えるのが、最も危ない並びです。
前期が終わっても、英語が続く人がいます
前期日程の2月25日で終わりだと思っていると、足をすくわれる大学が1つあります。東京農工大学です。
東京農工大学の共同獣医学科は、後期日程が英語1科目400点で合否が決まるとされています。前期の翌日から後期の前日までは、2月26日から3月11日までの14日間です。前期が終わって気が抜けたところに、英語だけの試験が控えている構図になります。
前期で東京農工大学を受け、後期も出願している場合は、38日の設計に14日を足して52日で考えてください。第3ブロックで「新しい問題を解かない」と書きましたが、後期がある人はここが変わります。前期が終わった2月26日から、英語だけの演習を再開してください。





後期は「受かるわけがない」と思って対策しない人が多いのですが、英語1科目で決まる試験は、英語が得意な人にとって前期より勝ち目があります。前期の手応えが悪かった日ほど、その日のうちに後期の過去問を1年分開いてください。
共通テスト後、最初の3日でやること


計画そのものより、最初の3日の使い方で38日の質が決まります。
1月18日にやること
- 志望校と併願校について、二次に英語があるかを一覧にする(タイプA・B・Cの判定)
- 出願変更の候補がある場合、その大学も同じ表に入れる
- 英語が0日と確定したら、その日のうちに英語の教材を片付ける
1月19日にやること
- タイプAとBの人は、志望校の過去問を1年分、時間を計って解く
- 採点はせず、時間内に終わったかどうかだけ確認する
- タイプBの人は、この結果を見て区分と選択科目を決める
1月20日にやること
- 前日の答案を採点し、失点を「形式のせい」と「理解不足」に分ける
- 形式のせいの失点だけを、第2ブロックで潰す対象としてメモする
- 私立の試験日を書き込み、実質日数を計算し直す
この3日で、残り35日にやることが確定します。逆に、この3日を「共通テストの疲れを取る」で埋めてしまうと、2月に入ってから慌てることになります。
まとめ
獣医学部の直前期は、医学部と同じようには設計できません。二次に英語があるかどうかが大学で分かれるため、共通テスト後の38日が0日にも38日にもなるからです。
要点をまとめます。
- 国公立獣医10校はA必答型5校、B区分・選択型2校、C英語なし型3校に分かれる
- タイプC(岩手・岐阜・山口)は共テ後の英語が0日。ただし併願先と出願変更だけは確認する
- タイプA(北海道・帯広畜産・東京農工・鳥取・大阪公立)は38日を14日・14日・10日の3ブロックで割る
- タイプB(鹿児島・宮崎)は1月18日から19日のうちに区分と選択科目を決める
- 私立を3校受けるなら、38日ではなく28日前後で設計する
- 東京農工大学の後期は英語1科目400点。前期後の14日を足して52日で考える
まず、志望校がどのタイプかを確認してください。直前期の設計は、そこから始まります。
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