鹿児島大学の共同獣医学部には、同じ前期日程の中に「前期a」と「前期b」という2つの区分があります。この2つは配点構造が真逆です。前期aは共通テスト920点+個別600点で、共通テストが総合の約60%。前期bは共通テスト460点+個別1200点で、個別が約72%を占めます。そして二次英語の配点は200点と400点。ちょうど倍違います。つまり英語が得意かどうかで、有利な区分が変わります。同じ実力でも、出す区分を間違えると届かないことがある入試です。本記事は、区分の選び方と、どちらの区分でも必要になる英語の対策を整理します。
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前期aと前期bは配点構造が真逆

まず2つの区分を数字で並べます。
| 項目 | 前期a | 前期b |
|---|---|---|
| 共通テスト | 920点 | 460点 |
| 個別学力検査 | 600点 | 1200点 |
| 総合 | 1520点 | 1660点 |
| 共通テスト比率 | 約60% | 約28% |
| 二次 英語 | 200点 | 400点 |
| 二次 数学 | 200点 | 400点 |
| 二次 理科 | 200点 | 400点 |
共通テストの内訳は次の通りです。
| 科目 | 前期a | 前期b |
|---|---|---|
| 国語 | 200点 | 100点 |
| 数学 | 200点 | 100点 |
| 理科 | 200点 | 100点 |
| 外国語 | 200点(R160・L40) | 100点(R80・L20) |
| 地歴公民 | 100点 | 50点 |
| 情報Ⅰ | 20点 | 10点 |
前期bは前期aをちょうど半分に圧縮した形です。そのぶん個別が2倍になります。
二次の理科は物理・化学・生物から1科目を選択します。
配点、科目、募集人員は改定されます。出願前に必ず鹿児島大学の公式学生募集要項で確認してください。
Gou「前期aと前期b、どちらが受かりやすいですか」と聞かれます。答えは人によって違います。英語と数学と理科の記述で稼げるならb、共通テストで固く積めるならa。同じ実力でも結果が変わります。




英語が総合に占める割合で見る
前期aは約26%、前期bは約30%
前期aは、共通テスト200点+二次200点=400点。総合1520点に対して約26%です。
前期bは、共通テスト100点+二次400点=500点。総合1660点に対して約30%です。
割合の差は4ポイントですが、二次英語の絶対値は200点と400点で倍違います。ここが判断の分かれ目になります。
英語だけが軽い設計ではない
どちらの区分でも、二次英語は数学・理科とまったく同額です。
獣医志望者は理科に時間を割きがちですが、この配点はそれを許しません。負担感ではなく配点で時間を配ってください。
記述に自信があるなら前期bが武器になる
前期bは個別が1200点で総合の72%を占めます。記述で稼げる受験生ほど有利です。
逆に共通テストのマーク式で安定して得点できるタイプなら、前期aで逃げ切る設計が合います。
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区分は自己採点の数字で決める


感覚で決めると損をします。共通テストの自己採点が出てから計算してください。
手順は4つ
まず自己採点で素点を確定します。
次に、前期aと前期bのそれぞれで換算後の共通テスト得点を計算します。前期bは前期aの半分になります。
そのうえで、総合の目標得点率から逆算して、個別で何点必要かを出します。
最後に、過去問での個別の得点率と照らし合わせます。得点率が同じでも、必要な絶対点が違います。
共通テストが振るわなかった場合
前期bは共通テストの配点が半分に圧縮されます。つまり共通テストの失点も半分になります。
共通テストで思ったより取れなかったとき、前期bは挽回の余地が大きい区分です。
ただし個別1200点で勝負することになるので、記述の完成度が前提です。「共テが悪かった人の逃げ場」ではありません。
準備は区分を決める前から始まる
区分の判断は共通テスト後ですが、対策はそれより前に始まります。
共通テスト形式の速読と、記述の基礎。どちらの区分でも必要になるので、夏までに両方の土台を作ってください。


共通テスト英語はどちらの区分も4対1
リーディング重視の圧縮
前期aは外国語200点でリーディング160点・リスニング40点。前期bは外国語100点でリーディング80点・リスニング20点。
満点は半分になりますが、比率はどちらも4対1です。リスニングは4分の1に圧縮されます。
リスニングは毎日15分で維持する
時間を注ぎ込む科目ではありません。1セット解いて5分、スクリプトを見ながらの音読5分、聞き直しと原因分析5分。これで十分です。
ただしゼロにはしないでください。前期aなら40点、前期bなら20点。前期bでは情報Ⅰ10点の2倍にあたる配点です。
聞き取れない原因は3つに分かれる
音の連結。want to が wanna、going to が gonna のように単語同士がつながるパターンです。
弱形。of が「ヴ」程度、and が「ン」程度、to が「タ」程度に、機能語が極端に弱く短くなるパターンです。
語彙不足。そもそもその語を知らない、あるいは知っていても音と結びついていないパターンです。
スクリプトを見て意味が分かった箇所は語彙の問題ではありません。音読で解決します。
二次英語は「易しいが記述」=減点勝負
鹿児島大学の二次英語は大問5題の構成とされています。学部により解答すべき設問が異なる可能性があるので、必ず共同獣医学部の過去問で確認してください。
大問構成
| 大問 | 内容 |
|---|---|
| 大問1・2 | 長文読解。語彙レベル、内容ともに比較的易しいとされる |
| 大問3 | 文法問題。基本的な文法知識を問う |
| 大問4 | 和文英訳。短文の英訳 |
| 大問5 | 自由英作文。80〜100語で社会的なテーマ |
英文そのものは難解ではないとされています。つまり読めないから落ちるのではなく、書き方で落ちる試験です。
差がつくのは大問4と大問5
長文は多くの受験生が読めます。差がつくのは和文英訳と自由英作文です。
前期bを選ぶなら、この2題の配点はさらに重くなります。ここに時間を集中してください。
和文英訳は「和文和訳」から始める
短文の和文英訳です。そのまま英訳しようとすると詰まります。手順は2段階です。
| 段階 | やること | 例 |
|---|---|---|
| 第1段階 | 和文和訳。中学生でも書ける平易な日本語に置き換える | 「〜を余儀なくされる」→「〜しなければならない」 |
| 第2段階 | 英訳。中学英文法レベルの構文で書く | 難しい構文は使わない |
減点されるのは、難しい構文を使い損ねたときです。簡単な構文で正確に書く方が点になります。
短文の和文英訳は、例文のストックがそのまま得点になります。新しい問題集を増やすより、使っている例文集を回してください。
自由英作文は5文構成で固定する
80〜100語で社会的なテーマについて意見を述べます。最も多い失点は、立場を明示しないまま書き始めることです。
| 順番 | 内容 | 書き出し |
|---|---|---|
| 1 | 立場表明 | I believe that … |
| 2 | 理由1 | First, … |
| 3 | 具体例 | For example, … |
| 4 | 理由2 | Second, … |
| 5 | 締め | For these reasons, … |
この5文構成で80〜100語に収まります。本番で構成を考える時間をゼロにするのが目的です。
なお、獣医志望だからといって動物のテーマばかり準備しないでください。出題は一般的な社会テーマです。技術の進歩と雇用、環境保護と経済成長、オンライン教育と対面教育といった論点について、賛成・反対の理由を2つずつ用意しておくと本番で困りません。
90分の時間配分
| 大問 | 目標時間 |
|---|---|
| 大問1(長文) | 20分 |
| 大問2(長文) | 20分 |
| 大問3(文法) | 8分 |
| 大問4(和文英訳) | 18分 |
| 大問5(自由英作文) | 20分 |
| 見直し | 4分 |
文法を早く処理して、記述2題に38分を確保するのが要点です。
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大問3の文法は基本知識で決まる領域です。弱い単元が見つかったとき、その単元だけを短時間で拾い直せる教材は復習の起点として使いやすくなります。
山口大学とのペアでも、英語を課すのは鹿児島だけ
鹿児島大学の共同獣医学部は、山口大学との共同獣医学部です。入学後のカリキュラムは共同で運営されますが、入試は別々に行われます。
山口の個別に英語はない
山口大学の共同獣医学部は、個別学力検査が数学200点と理科200点の2教科400点です。英語は課されません。共通テストは1000点で、そのうち外国語が300点と重い構成です。
一方の鹿児島は、個別に英語が200点または400点あります。
両方受けるなら鹿児島に合わせる
英語の準備は重い方に合わせるのが原則です。
鹿児島の二次で必要な記述力があれば、山口の共通テスト英語には十分対応できます。逆に山口だけを見て共通テスト対策に絞ると、鹿児島の二次で和文英訳と自由英作文に対応できません。
国公立獣医は二次英語の有無がばらつく
国公立の獣医学部は、二次に英語がある大学とない大学に分かれます。志望順位によって英語の準備量が変わるので、出願候補が固まった時点で全校の二次科目を並べてください。




AIを使った鹿児島大獣医 英語ロードマップ
ステップ1(夏まで): 両方の区分に効く土台を作る
区分の判断は共通テスト後ですが、対策はそれより前です。
共通テスト形式の速読と、記述の基礎。どちらの区分でも必要になります。リスニングは毎日15分で維持します。
ステップ2(秋): 和文英訳と自由英作文に集中する
合否を分ける2題です。和文和訳の手順を体に入れ、自由英作文は5文構成で週2本書きます。
AIに添削させると回転が上がります。
「以下は和文英訳の問題と、私が書いた英訳です。減点箇所を文法、語法、訳し漏れの3観点で指摘してください。そのうえで、中学英文法レベルの構文で書き直した版を示してください。難しい構文は使わないでください」
自由英作文のテーマ準備にはこれが効きます。
「以下のテーマについて、賛成の理由2つと反対の理由2つを、それぞれ英語1文と日本語訳で示してください。理由には必ず具体例を1つずつ添えてください。テーマは技術の進歩と雇用です」
テーマを変えて6本作れば、本番で困らないストックになります。
ステップ3(共テ後): 区分を確定する
自己採点の直後に計算します。
「鹿児島大学 共同獣医学部の前期日程には2つの区分があります。前期aは共通テスト920点と個別600点で総合1520点、個別の内訳は数学200・英語200・理科200です。前期bは共通テスト460点と個別1200点で総合1660点、個別の内訳は数学400・英語400・理科400です。私の共通テスト素点は次の通りです。それぞれの区分で換算後の共通テスト得点を計算し、総合で8割を取るために個別で何点必要かを出してください。そのうえでどちらの区分が有利かを述べてください」
計算結果は必ず自分で検算してください。換算の読み取りを間違えると全部ずれます。




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出願区分の判断まで含めると、獣医の併願設計はかなり複雑になります。データを見て一緒に決めてくれる環境が欲しい浪人生には、全寮制・完全個別カリキュラムの予備校が候補になります。
まとめ
鹿児島大学 共同獣医学部の英語は、まず出願区分の理解から始まります。
押さえるべきことは4つです。
第一に、同じ前期日程に配点構造が真逆の2区分があること。前期aは共通テスト920点+個別600点で共テ比率約60%、前期bは共通テスト460点+個別1200点で個別比率約72%。前期bは前期aをちょうど半分に圧縮し、個別を2倍にした形です。
第二に、二次英語が200点と400点で倍違うこと。英語が総合に占める割合は前期aで約26%、前期bで約30%です。記述で稼げるなら前期bが武器になり、共通テストで固く積めるなら前期aが合います。どちらの区分でも英語は数学・理科と同額で、英語だけが軽い設計ではありません。
第三に、区分は自己採点の数字で決めること。感覚で決めると損をします。両区分で換算後の共通テスト得点を出し、総合の目標から個別の必要点を逆算してください。共通テストが振るわなかったときは前期bに挽回の余地がありますが、個別1200点で勝負する前提です。
第四に、二次英語は「易しいが記述」の減点勝負だということ。英文は比較的易しいとされ、差がつくのは大問4の和文英訳と大問5の自由英作文です。和文英訳は和文和訳から始め、自由英作文は5文構成で固定してください。
なおペアの山口大学は個別に英語がありません。両方を受けるなら、英語の準備は鹿児島に合わせてください。
配点や出題形式、募集人員は年度によって改定されます。必ず鹿児島大学の最新の学生募集要項と過去問で確認してください。


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