内容一致問題は、マーク式の医学部英語で最も配点が集まる設問です。ところが「内容一致」と一括りにされるせいで、対策が雑になりがちです。実際には4つの型があります。一致するものを選ぶ型、一致しないものを選ぶ型、本文に記述がないものを選ぶ型、そして全選択肢に正誤を判定させる型。この4つは解き方も、かかる時間も違います。とくに「本文に記述がないもの」を選ぶ型は、書いてあることを探す作業では解けません。本記事は、志望校がどの型かを確認したうえで、選択肢が誤りになる5パターンをどう見抜くかを整理します。
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内容一致は4つの型に分かれる

当ブログで個別に調べた大学から、型ごとに整理します。
| 型 | 何を選ぶか | 確認できた大学 |
|---|---|---|
| 型A 一致選択 | 本文と合うものを選ぶ | 東海大学(700語程度の長文に6〜8問)、東邦大学、藤田医科大学ほか多数 |
| 型B 不一致選択 | 本文と合わないものを選ぶ | 秋田大学(内容一致と不一致選択の両方)、金沢医科大学 |
| 型C 記述なし選択 | 本文に書かれていないものを選ぶ | 金沢医科大学(NOT TRUE や NOT mentioned を選ばせる設問が非常に多いとされる) |
| 型D 全選択肢判定 | 選択肢すべてに正誤をつける | 関西医科大学(大問1で選択肢全文の正誤判定) |
Gou過去問を解いたあと「内容一致で落とした」で終わらせないでください。どの型で落としたかまで分けると、次にやることが変わります。型Cで落ちているなら、読解力ではなく解き方の問題です。
設問数は大学差が大きい
東京科学大学は、読む英文が超長文1本1500語から1800語だけなのに、設問は約30問。うち真偽判定が約25問とされています。1本の英文を25回照合することになります。
東京医科大学は内容真偽が12択、東京慈恵会医科大学は長文3題それぞれに内容真偽が出るとされています。北里大学では内容真偽が最頻出です。
一方、記述中心の大学では内容一致の比重は下がります。慶應義塾大学は内容一致のような客観問題が減り、読解量と記述量が重視される方向にあるとされています。
出題形式は改定されます。必ず志望校の最新の過去問で確認してください。




型Cだけは性質が違う
型Aから型Bまでは「本文のどこかに根拠がある」問題です。探せば見つかります。
型Cは違います。「本文に書かれていない」ことを示すには、本文全体を確認する必要があります。1箇所を見つけて終わりにできません。
だから型Cは消去法でしか解けません。他の選択肢の根拠を全部見つけて、残ったものを選ぶ。この順番になります。
選択肢が誤りになる5パターン


誤答の選択肢は、でたらめに作られているわけではありません。型があります。
1. 言い換えを見抜けない
正解の選択肢は、本文と同じ語を使いません。同義語や言い換えに置き換えられています。
川崎医科大学の対策でも触れましたが、内容一致で失点する最大の原因は、選択肢と本文の言い換えを見抜けないことです。筑波大学の内容一致も、本文の言い換えを見抜く問題とされています。
逆に、本文の語がそのまま並んでいる選択肢は、むしろ疑ってください。一部だけ入れ替えた誤答であることがあります。
2. 限定表現のすり替え
only、all、most、always、never。これらが入った選択肢は要注意です。
東北大学の対策でも触れたとおり、only(〜だけ)、most(ほとんど)、all(すべて)といった限定表現は引っかけに使われます。
本文が「多くの場合」と書いているのに選択肢が「常に」になっている。本文が「一因である」と書いているのに選択肢が「唯一の原因」になっている。この差で誤りになります。
3. 因果関係の逆転
AがBを引き起こす、と本文にあるのに、選択肢はBがAを引き起こすとしている。
読んでいるときは同じ話に見えます。矢印の向きだけを確認してください。
4. 程度や数値のずらし
本文が「増加した」なのに選択肢は「2倍になった」。本文が「可能性がある」なのに選択肢は「証明された」。
数字と、断定の度合い。この2つは選択肢で操作されやすい箇所です。
5. 本文にない情報の追加
一般常識としては正しいけれど、本文には書かれていない。これが型Cの中心になる誤答です。
医学部の受験生は理科の知識があるぶん、「知っている内容」を正しいと判断してしまいます。判断基準は本文だけです。



杏林大学の対策でも書きましたが「なんとなく合っている」選択肢を選ばないでください。根拠が何行目かを言えないなら、それは選んではいけない選択肢です。
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解く順番を固定する
内容一致は、解く順番を毎回同じにするだけで安定します。
設問を先に読む
日本医科大学の対策でも触れましたが、内容真偽・下線部同意・指示内容など、何を問われるかを把握してから本文に入ります。
とくに型を確認してください。一致を選ぶのか、不一致を選ぶのか。ここを読み違えると、正しく読んで正しく間違えます。
選択肢を先に読むかどうか
北海道大学の対策では、内容一致は選択肢を先に読んでから本文の該当箇所を探す解き方が有効としています。
ただしこれは設問数が少ない場合です。東京科学大学のように約25問ある場合、全選択肢を先に読むと記憶が持ちません。段落を読むごとに該当する選択肢を処理する方が現実的です。
設問数で使い分けてください。目安は、1つの長文に対して設問が5問以下なら先読み、10問を超えるなら段落ごとの処理です。
根拠の行番号を言う
日本医科大学の対策で書いた習慣です。内容一致問題を解くたびに「根拠は何行目か」を口に出します。
これは記述対策にもなりますが、それ以上にマーク式の精度が上がります。行番号が言えない選択肢を選ばなくなるからです。
消去法を使う場面を決める
北里大学の対策では、内容真偽はスピード重視で、本文の該当箇所を素早く探し明らかに違う選択肢を消していく解き方を推奨しました。
型Cでは消去法が必須です。型Aでは、正解の根拠が見つかった時点で他を見ない判断もあります。時間との兼ね合いで決めてください。




埋めるかどうかは採点方式で決まる
マーク式では「分からなくても埋める」が原則とされます。ただし例外があります。
当ブログの東京科学大学の記事では、真偽判定や抜き出しに誤答減点があるとしており、埋める癖が失点になると書きました。
採点方式は公表内容が変わることがあります。誤答減点の有無は、必ず志望校の最新の募集要項で確認してください。
減点がない場合
すべて埋めます。空欄は確実に0点ですが、埋めれば期待値が発生します。
型Dの全選択肢判定では、判定を保留した選択肢も必ずどちらかに決めてください。
減点がある場合
判断が変わります。根拠が見つからない選択肢は、無理に決めない選択肢が出てきます。
この場合、時間配分も変わります。すべてに答えることより、答える設問の精度を上げることが優先になります。
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内容一致で落ちる原因が「言い換えが分からない」なら語彙、「文が取れない」なら構文です。原因が分かったあと、該当分野の講義だけ拾って戻れる教材は復習の戻り先として使いやすくなります。
誤答を5パターンで分類する
内容一致の復習は、正解を確認するだけでは足りません。
間違えた選択肢が、上の5パターンのどれだったかを記録してください。
- 言い換えを見抜けなかった
- 限定表現を見落とした
- 因果関係を逆に取った
- 程度や数値をずらされた
- 本文にない情報を正しいと判断した
内訳が偏ります。言い換えが多いなら語彙の問題です。限定表現が多いなら、読み方の癖の問題で、語彙を増やしても直りません。
分類が偏らない場合
5つに散らばっているなら、原因は選択肢の処理ではなく本文の読解です。
その場合は内容一致の練習より、精読に戻ってください。愛知医科大学の対策で書いたように、段落ごとのまとめを習慣化すると内容一致の精度が上がります。
帝京大学の対策でも、筆者の主張と段落ごとの論理展開を掴む力が、内容一致問題の正答率に直結すると書きました。




AIで演習量を作る
内容一致は、過去問だけでは演習量が足りません。同じ形式は無限に作れます。
志望校の型で作らせる
「医療系のテーマで大学入試レベルの英語論説文を700語程度で作ってください。そのあとに、本文の内容と一致するものを選ぶ4択問題を6問付けてください。誤答の選択肢には、言い換えのすり替え、限定表現の誇張、因果関係の逆転、程度のずらし、本文にない情報の追加のいずれかを必ず含めてください。解答では、各誤答がどのパターンかを示してください」
誤答のパターンを指定するのが要点です。指定しないと、明らかに違う選択肢ばかりが作られます。
型Cの練習をさせる
「以下の英文について、本文に書かれていないものを選ぶ4択問題を3問作ってください。誤答となる3つの選択肢は本文に根拠があるものにし、解答では各選択肢の根拠が何行目にあるかを示してください」
型Cは市販の問題集で数が確保しにくい形式です。ここはAIで補えます。
根拠を採点させる
「以下は内容一致問題と、私が選んだ選択肢、そして私が考えた根拠の行番号です。根拠が正しいかを判定してください。正解していても根拠が間違っている場合は、そのことを指摘してください」
正解していても根拠が違うことがあります。これは次に落とす予兆です。


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内容一致は独学でも演習量を作れますが、原因の切り分けは自分では難しい領域です。読解の問題か選択肢処理の問題かを見てもらいたいなら、全寮制・完全個別カリキュラムの予備校が選択肢になります。
まとめ
内容一致問題は、一括りにできません。
押さえるべきことは4つです。
第一に、4つの型があること。一致するものを選ぶ型、一致しないものを選ぶ型、本文に記述がないものを選ぶ型、全選択肢に正誤を判定する型。金沢医科大学は NOT TRUE や NOT mentioned を選ばせる設問が非常に多いとされ、関西医科大学は大問1で選択肢全文の正誤判定があるとされています。とくに型Cは「書かれていないこと」を示す問題なので、消去法でしか解けません。
第二に、設問数の差が大きいこと。東京科学大学は超長文1本に設問約30問、うち真偽判定が約25問とされる一方、慶應義塾大学は客観問題が減る方向にあるとされています。設問数によって、選択肢を先読みするか段落ごとに処理するかが変わります。
第三に、誤答の選択肢には5つの型があること。言い換えのすり替え、限定表現の誇張、因果関係の逆転、程度や数値のずらし、本文にない情報の追加。復習ではどのパターンで落としたかを記録してください。内訳が偏れば原因が分かり、5つに散らばっていれば原因は読解そのものです。
第四に、埋めるかどうかは採点方式で決まること。誤答減点があるかどうかで判断が変わります。採点方式は公表内容が変わることがあるので、必ず最新の募集要項で確認してください。
まずは志望校の過去問を1年分開いて、内容一致の設問がどの型か、何問あるかを数えてください。そこで解き方が決まります。
入試情報は毎年更新されます。本記事の分類も、必ず志望校の最新の過去問と募集要項で確認してください。




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