リスニングの学習時間は「毎日15分」とよく言われます。しかしその15分が適切かどうかは、志望校によって変わります。共通テストのリスニングは本来100点ですが、大学が使うときに圧縮されるからです。当ブログで個別に調べた範囲では、弘前大学と琉球大学は圧縮せず100点のまま使い、島根大学や群馬大学は20点に圧縮しています。素点で5倍の差です。外国語配点に対する比率で見ても、圧縮しない大学ではリスニングが50%を占め、多くの大学では20%程度にとどまります。同じ「毎日15分」が、片方では足りず、片方では過剰になる。本記事は12校の実データから、比率別の時間配分を整理します。
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志望校のリスニング配点を確認する

共通テストのリスニングは本体では100点です。ところが大学が合否判定に使うとき、多くは圧縮します。その圧縮率が大学によって大きく違います。
当ブログで確認できた12校
| 大学 | 共テ英語の配点 | リスニング | 外国語内の比率 |
|---|---|---|---|
| 弘前大学 | R100+L100=200点 | 100点 | 50% |
| 琉球大学 | R100+L100=200点 | 100点 | 50% |
| 東京農工大学(獣医) | 外国語200点 | 70点 | 35% |
| 横浜市立大学 | 英語300点(R240) | 60点 | 20% |
| 鹿児島大学 | R150+L50=200点 | 50点 | 25% |
| 帯広畜産大学(獣医) | R72+L48=120点 | 48点 | 40% |
| 鳥取大学 | R160+L40=200点 | 40点 | 20% |
| 島根大学 | R80+L20=100点 | 20点 | 20% |
| 信州大学 | R80+L20=100点 | 20点 | 20% |
| 香川大学 | R80+L20=100点 | 20点 | 20% |
| 愛媛大学 | R80+L20=100点 | 20点 | 20% |
| 群馬大学 | R80+L20=100点 | 20点 | 20% |
素点で20点から100点まで5倍、比率で20%から50%まで2.5倍の開きがあります。
Gou「リスニングは毎日15分」という助言自体は正しいのですが、それが誰にとっての15分かが抜けています。弘前や琉球のように圧縮しない大学では、リスニングとリーディングが同等です。15分では足りません。
確認は3分で終わる
- 志望校の募集要項で共通テストの外国語配点を見る
- リーディングとリスニングの内訳を確認する
- リスニング配点 ÷ 外国語配点 で比率を出す
- 併願校でも同じことをする
この数字が出るまで、リスニングの学習時間は決められません。
配点は改定されます。必ず志望校の当該年度の募集要項で確認してください。




比率別の時間配分


比率50%(弘前大学、琉球大学など)
共通テストを圧縮せずそのまま使う大学です。リスニングとリーディングが同等の重みを持ちます。
毎日15分では足りません。推奨は次の配分です。
- 平日: 毎日30分(問題演習10分、オーバーラッピング10分、聞き直しと原因分析10分)
- 週末: 週1回、通しで1セット
リーディングとリスニングの学習時間比を1対1に近づけてください。片方だけを鍛えても、得点は半分しか動きません。
比率35%から40%(東京農工大学、帯広畜産大学など)
圧縮しつつリスニングを重めに残す設計です。獣医系にこの型が見られます。
毎日20分と、週末の通し1セット。50%の大学ほどではありませんが、20%の大学と同じ扱いにすると足りません。
比率20%から25%(島根、信州、香川、愛媛、群馬、鳥取、横浜市立、鹿児島など)
最も多いパターンで、リーディング重視の設計です。
毎日15分を切らさず、週末の通し演習は月2回で十分。この比率なら15分の維持で足ります。それ以上の時間はリーディングか他科目に回すほうが総合点に効きます。


どの比率でもゼロにはしない
比率がどうであれ、ゼロにはしないでください。リスニングは間を空けると落ちる技能です。1週間空けると、戻すのに2週間かかります。
毎日短く、が原則です。
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15分の内訳
比率20%の大学を想定した基本形です。時間が長い場合は各パートを比例して伸ばします。
最初の5分: 問題を1セット解く
共通テスト形式の問題を1セット。時間を計り、本番と同じ緊張感で解きます。
解いたあとすぐに答え合わせをしないでください。次の5分でスクリプトを見ながら音を追うほうが効きます。
次の5分: オーバーラッピング
スクリプトを見ながら、音声と同時に声を出します。
黙読ではありません。声を出してください。音声のスピードに口がついていかない箇所が、聞き取れない箇所とほぼ一致します。
最後の5分: 聞き直しと原因分析
スクリプトを見ずにもう一度聞き、聞き取れなかった箇所だけ戻ります。そして、なぜ聞き取れなかったかを分類します。
この分類が最も重要です。
聞き取れない原因を3つに分ける
1. 音の連結
単語同士がつながって別の音に聞こえるパターンです。
want to → wanna、going to → gonna、got you → gotcha、what are you → whaddaya、did you → didja、let me → lemme。
これは知識の問題ではありません。音として知っているかどうかです。オーバーラッピングで解決します。
2. 弱形
機能語が極端に弱く短く発音されるパターンです。
of は「ヴ」程度、and は「ン」程度、for は「ファ」程度、can は「クン」程度、to は「タ」程度、them は「ム」程度。
弱形を知らないと、その部分が丸ごと消えて聞こえます。これもオーバーラッピングで解決します。
3. 語彙不足
そもそもその単語を知らない、あるいは知っていても音と結びついていないパターンです。
これだけが単語の問題です。スクリプトを見て意味が分かるなら語彙不足ではありません。音の問題です。
分類の実益
多くの受験生は「単語力が足りないから聞き取れない」と考えます。実際は1番目と2番目が大半です。
スクリプトを見て意味が分かった箇所は、語彙の問題ではありません。音読で解決する問題です。単語帳を増やしても直りません。
ノートに「聞き取れなかった箇所」と「3分類のどれか」を並べて記録してください。2週間続けると、自分がどのパターンで落としているかが見えます。


素材は増やさず同じものを回す
リスニングで最も多い失敗は、素材を次々に変えることです。
同じ素材を10回聞くほうが、10種類の素材を1回ずつ聞くより効きます。音の連結や弱形は「その音を知る」ことで解決するため、1回では知識にならないからです。
推奨する回し方
- 1周目: 何も見ずに聞く。分からない箇所に印
- 2周目: スクリプトを見ながら聞く。印の箇所を確認
- 3周目から7周目: オーバーラッピング
- 8周目から10周目: シャドーイング(スクリプトを見ずに追いかける)
1つの素材で10周。共通テスト形式の1セットなら1週間程度です。
シャドーイングに進む条件
オーバーラッピングで詰まらなくなってから進んでください。詰まる状態でシャドーイングをしても、口が動かないまま音声だけが進みます。
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リスニングは音の知識が要ります。連結や弱形を体系的に学んでいないなら、独学で気づくより講義で一度整理するほうが早いです。
二次でリスニングを課す大学もある
共通テストとは別に、二次試験でリスニングを課す大学があります。数は多くありません。
東京大学の理科三類は、二次でリスニングが課され、試験時間120分のうち30分程度がリスニングに充てられるとされています。実質90分で他の設問を処理する設計になります。
志望校が二次でもリスニングを課すなら、共通テスト対策とは別に準備が必要です。二次のリスニングは共通テストより長く、メモを取りながら聞く形式が多いためです。
まず志望校の二次にリスニングがあるかを確認してください。募集要項の科目欄と、過去問の構成を見れば分かります。


AIでリスニングの弱点を特定する
リスニングは、聞き流しても伸びません。何が聞き取れなかったかを特定して初めて対策になります。
原因を分類させる
「共通テスト形式のリスニング問題で、私は以下の箇所が聞き取れませんでした。それぞれについて、原因が音の連結、弱形、語彙不足のどれかを判定してください。音の連結と弱形の場合は、実際にどう発音されているかをカタカナと発音記号で示してください」
原因が分かれば、対策の選択を間違えません。
素材を作らせる
「共通テストのリスニング第3問から第4問の形式で、医療や科学をテーマにした会話文のスクリプトを作ってください。長さは150語程度、話者は2名です。そのあとに設問を2問付けてください。スクリプトには、音が繋がりやすい箇所と弱形になる箇所に印を付けてください」
音読素材とリスニング素材を兼ねられます。印を付けさせるのが要点です。
配点から配分を判断させる
「私の志望校の共通テスト外国語の配点は、リーディング◯点、リスニング◯点です。リスニングが外国語配点に占める比率を計算してください。そのうえで、1日の英語学習時間が◯分の場合、リスニングに何分割くべきかを提案してください。理由も示してください」
進捗の停滞を診断させる
「私はリスニング素材を◯周しました。オーバーラッピングでは詰まらなくなりましたが、シャドーイングでは後半についていけません。考えられる原因を3つ挙げ、それぞれの対処法を示してください。新しい素材の追加は提案しないでください」
最後の一文が重要です。指定しないとAIは素材を増やす提案をしてきます。


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浪人生でリスニングが伸び悩んでいる場合、音の問題か語彙の問題かを自分で切り分けるのが難しいことがあります。全寮制・完全個別のこの予備校が候補になります。
4週間の立ち上げ計画
リスニングを本格的にやっていない状態からの計画です。
1週目: 現在地の把握と素材の選定
共通テスト形式を1セット解き、得点を記録します。聞き取れなかった箇所を3分類してノートに書いてください。
この週で使う素材を1つ決めます。以降4週間、基本的にこの素材を回します。
2週目: オーバーラッピング
決めた素材を毎日オーバーラッピングします。詰まる箇所を毎日記録してください。同じ箇所で詰まり続けているなら、その音を意識的に練習します。
3週目: シャドーイングへ
オーバーラッピングで詰まらなくなったら、スクリプトを見ずに追いかけます。
最初はまったくついていけません。それが普通です。半分でも追えれば十分な進歩です。
4週目: 新しい素材で確認
初めて新しい素材を入れます。1週目と同じ手順で1セット解き、得点と3分類を記録してください。
1週目と比べて「音の連結」「弱形」の件数が減っていれば、練習は効いています。減らないなら、オーバーラッピングの周回数が足りていません。
まとめ
リスニングの学習時間は、志望校の配点で決まります。
押さえるべきことは4つです。
第一に、共通テストのリスニングは大学が使うときに圧縮されること。当ブログで調べた範囲では、弘前大学と琉球大学がリーディング100点+リスニング100点で圧縮せず、東京農工大学(獣医)が70点、横浜市立大学が60点、鹿児島大学が50点、帯広畜産大学(獣医)が48点、鳥取大学が40点、島根・信州・香川・愛媛・群馬が20点でした。素点で5倍、外国語内の比率で2.5倍の開きがあります。
第二に、比率によって時間配分を変えること。50%の大学(弘前・琉球)は毎日30分でリーディングと1対1に近づける。35から40%(農工大・帯広)は毎日20分。20から25%(多数)は毎日15分の維持で足ります。ただしどの比率でもゼロにはしないでください。1週間空けると戻すのに2週間かかります。
第三に、聞き取れない原因を3つに分けること。音の連結、弱形、語彙不足。スクリプトを見て意味が分かった箇所は語彙の問題ではなく音の問題です。単語帳を増やしても直りません。多くの受験生が語彙不足だと思い込んでいますが、実際は前の2つが大半です。
第四に、素材を増やさず同じものを回すこと。同じ素材を10回聞くほうが、10種類を1回ずつ聞くより効きます。1周目は何も見ずに、2周目はスクリプトを見ながら、3から7周目はオーバーラッピング、8から10周目はシャドーイング。オーバーラッピングで詰まらなくなってからシャドーイングに進んでください。
なお二次試験でリスニングを課す大学もあります。東京大学の理科三類は120分のうち30分程度がリスニングとされています。志望校の二次にリスニングがあるかも確認してください。
配点は改定されます。本記事の一覧も、必ず志望校の当該年度の募集要項で確認してください。まずは募集要項を開いて、リスニングが何点かを見るところから始めてください。3分で終わります。




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