9月の模試が返ってきて、判定が下がっている。夏はあれだけやったのに、と手が止まる。そこで新しい単語帳を買い、長文問題集を追加する。医学部志望者が秋に最も多く踏む地雷がこれです。断言しますが、9月の模試は7月の学習の答え合わせでしかありません。英語は、やったことが得点に出るまで2ヶ月から3ヶ月かかります。8月にやったことは10月から11月の模試に出ます。秋にやるべきことは増やすことではなく、共通テストと二次のどちらに時間を割くかを月ごとに決め、模試を復習に使い切ることです。本記事は、共通テスト本番までの4ヶ月を月別の時間比で設計します。
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秋の4ヶ月を月別の時間比で設計する

まず結論から示します。英語の勉強時間を100として、二次対策と共通テスト対策の比率を月ごとにこう変えてください。
| 時期 | 二次対策 | 共テ対策 | この月の主眼 |
|---|---|---|---|
| 9月 | 7 | 3 | 記述の型を作る。共テは形式確認だけ |
| 10月 | 6 | 4 | 志望校の過去問に触り始める |
| 11月 | 4 | 6 | 共テ形式の時間内処理を固める |
| 12月 | 2 | 8 | 共テ一本。二次は週1本の維持だけ |
| 共テ後 | 10 | 0 | 志望校の形式に全振り |
なぜ9月に共テを3にとどめるのか
共通テストは、形式への慣れが得点を大きく左右する試験です。ただしその慣れは、11月から12月に集中的に作れば間に合います。
一方で記述力は短期間では作れません。和訳、内容説明、要約、英作文。どれも書いて直されて初めて伸びる領域です。だから9月と10月は記述に寄せます。
9月の共テ対策は「形式を思い出す」程度で十分です。リーディングを1セット、時間を計って解く。どの大問で時間を使いすぎたかを記録する。これを月2回。それ以上は要りません。
なぜ12月に二次を2まで落とすのか
12月に記述を続けたい気持ちは分かります。しかし共通テストの得点が、足切りと出願判断を決めます。国公立志望なら二段階選抜に直結し、私立でも共テ利用の合否を左右します。
ただしゼロにはしないでください。週1本、英作文か和訳を書く。手が完全に止まると、共通テスト後の再起動に1週間かかります。維持のための最小量だけ残すのが正解です。
Gou毎年9月に「共テ対策はいつから始めればいいですか」と聞かれます。答えは11月です。それより早く始めると記述が仕上がらないまま本番を迎えます。逆に12月まで放置すると形式に慣れる時間が足りません。11月がその境目です。


秋の模試日程を先にカレンダーへ入れる
2026年秋の主な模試日程は次の通りです。駿台は9月13日(日)に共通テスト模試、9月27日(日)に駿台全国模試、10月11日(日)に記述模試、11月1日(日)に共通テスト模試を実施するとされています。
河合塾の全統模試も別日程で実施されます。2026年度は両者の日程が重なっていないため、どちらも受験できるとされています。医学部志望であれば、母集団の難度が高い駿台全国模試を加えると実力の位置が見えやすくなります。
そして共通テスト本番は2027年1月16日(土)・17日(日)。追・再試験は1月23日(土)・24日(日)に予定されています。
日程は変更されます。各予備校と大学入試センターの公式発表で必ず確認してください。
模試の日を書いたら「復習日」も同時に書く
模試をカレンダーに入れるとき、必ずセットで復習日を書いてください。模試の翌日と、答案が返ってきた日の2回です。
多くの受験生は模試を受けるだけ受けて、返ってきた偏差値を見て終わります。それでは受けた意味がありません。秋の模試は実力を測る道具ではなく、弱点を特定する道具です。
復習に確保する時間は、演習と同じだけ。80分の試験なら80分の復習。この対等な配分を守れる受験生が、秋に伸びます。
模試は偏差値ではなく「失点の4分類」で読む
返却された答案で最初に見る3つ
偏差値を見る前に、次の3つを確認してください。
- 大問ごとの得点率。どの大問で落としたか
- 最後の大問に取りかかった時点で残っていた時間
- 空欄のまま提出した設問の数
偏差値は全体の結果でしかなく、明日の行動を決められません。上の3つは直接決められます。
失点を4つに分類する
落とした設問を、必ず次の4つに分けてください。
| 分類 | 内容 | 対策の方向 |
|---|---|---|
| 知らなかった | 語彙・文法の知識不足 | 単語と文法に時間を戻す |
| 読み違えた | 構文の取り違え、代名詞の誤認 | 精読の手順を固定する |
| 時間が足りなかった | 解けたはずだが手が回らなかった | 時間配分の練習を増やす。知識は足りている |
| 書き方で落とした | 内容は合っているが表現で減点 | 添削を受ける。独学では気づけない |
この4分類が、そのまま秋の勉強の割り振りになります。
秋に多くの受験生が犯す間違いは、「時間が足りなかった」なのに単語帳を買い直すことです。原因の分類を飛ばすと、対策がずれます。逆に「知らなかった」が大半なら、長文演習を増やしても意味がありません。語彙に戻るべきです。


9月に判定が下がる3つの理由
9月の模試で判定が下がるのは珍しくありません。理由は3つ考えられます。
1つめは母集団の変化です。秋の模試は、夏を経て本気になった受験生が増えます。同じ実力でも相対順位は下がります。
2つめは出題範囲の拡大です。夏までの模試より範囲が広くなり、まだ習っていない分野が出ます。
3つめが最も大きい理由で、夏の学習がまだ結果に出ていないことです。英語は、やったことが得点に反映されるまで2ヶ月から3ヶ月かかります。7月と8月にやったことは、10月から11月の模試に出ます。
だから9月の結果で方針を変えないでください。変えるべきは、4分類で「読み違えた」と「書き方で落とした」が多かった場合だけです。この2つは放置しても自然には直りません。
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秋にやらないこと5つ、やること5つ
やらないこと
- 新しい単語帳を買う(今使っているものを2周する方が速い)
- 新しい長文問題集を買う(志望校の過去問に切り替える時期)
- 英作文の参考書を追加する(1冊のテンプレートを暗記しきる)
- 模試の判定だけを見て志望校を変える(11月の模試まで待つ)
- 苦手な大問を避ける(避けた分がそのまま本番の失点になる)
秋に教材を増やすと、どれも中途半端に終わります。すでに持っているものを回すほうが、残り4ヶ月では確実です。
やること
- 志望校の過去問を、英語だけでも3年分見る(解かなくてよい。形式を知る)
- 出題形式のリストを紙1枚に作る
- 単語帳を1冊、日本語を隠して即答できる状態にする
- 模試の復習を、4分類の記録つきで残す
- 共テのリーディングを月2回、時間を計って解く
過去問を「見る」だけでよいのが要点です。9月に解いて悲惨な点数を取ると、無駄に落ち込みます。まず形式を知る。何が出るか分かれば、残り4ヶ月で何を捨てられるかも決まります。
出題形式リストに書く7項目
志望校の英語について、紙1枚に次を書いてください。
- 試験時間と配点
- 大問数と各大問の内容
- 和訳の有無と問題数
- 内容説明の有無と字数指定
- 英作文の有無と語数指定
- 解答言語(英語か日本語か、混在か)
- リスニングの有無
このリストがあると、無駄な勉強が消えます。英作文が出ない大学なら英作文の演習は不要です。日本語で答える大学なら、英語で書く練習より日本語の記述の型が重要になります。
医学部の英語は、大学ごとに形式がまったく違います。科目名に「英語」がない大学、英文を読んで日本語だけで答える大学、後期が英語1科目だけの大学まであります。志望校の形式を知らずに一般的な英語対策を積むのが、秋に最も無駄が出るパターンです。




AIを使った秋の学習ロードマップ


秋のAIの使いどころは、演習を増やすことではありません。復習を速くすることと、判断材料を出させることです。
9月: 模試の失点をAIに分類させる
自分で4分類するのは案外難しく、判断が甘くなります。AIに任せると客観的な集計が出ます。
「以下は模試で私が間違えた設問と、私の解答、正解です。各設問について、失点の原因を『知らなかった(語彙・文法の知識不足)』『読み違えた(構文や代名詞の誤認)』『時間が足りなかった』『書き方で落とした』の4つのどれかに分類してください。そのうえで、4分類それぞれの件数を集計し、最も件数が多い分類に対する具体的な対策を3つ提案してください。褒める必要はありません」
秋の勉強方針は、この集計結果で決めてください。感覚で決めないことです。
記述の添削もこの時期から始めます。
「以下は英文と、それに対する私の和訳です。誤訳、構文の取り違え、訳語の過剰な意訳の3点だけを指摘してください。自然な日本語かどうかは評価しなくて結構です。正しい構文の取り方を、主語・述語・修飾関係を明示して説明してください。褒める必要はありません」
「褒める必要はありません」を毎回入れてください。指定しないとAIは励ましから入り、肝心の減点箇所が埋もれます。


10月: 志望校の形式をAIに整理させる
過去問を見ただけでは形式が頭に入りません。表にさせます。
「以下は私の志望校の英語の過去問の設問一覧です。これを整理して、試験時間、大問数、各大問の内容、和訳の問題数、内容説明の字数指定、英作文の語数指定、解答言語を表にまとめてください。そのうえで、この形式で得点するために必要な力を優先順位つきで3つ挙げてください」
単語帳の残りを絞るのもこの時期です。
「以下は私が単語帳で覚えきれていない単語のリストです。医学部入試での頻出度が高い順に並べ替えてください。そのうえで、上位30語だけを『今から覚える』、残りを『後回しでよい』に振り分けてください。振り分けの理由も1行で添えてください」
残り4ヶ月で全部は無理です。優先順位をつけて捨てる判断が必要になります。
11月から12月: 共テ形式の時間配分を詰める
11月から共テの比率を上げます。ここでAIに時間の使い方を診断させます。
「私は共通テストのリーディング(80分)で、第1問から第6問までに次の時間を使いました。(各大問の所要時間)。目標配分と比較して、どの大問で時間を使いすぎているかを指摘してください。そのうえで、次回の演習で試すべき具体的な改善策を3つ提案してください」
12月に入ったら、直前計画そのものを作らせます。
「私は2027年1月16日と17日に大学入学共通テストを受けます。英語はリーディングとリスニングです。12月1日から1月15日までの英語の学習計画を、週ごとに作ってください。条件は、リーディングの通し演習を週2回入れる、リスニングは毎日15分を切らさない、二次試験用の記述は週1本だけ維持する、の3つです。新しい教材の購入は提案しないでください」
最後の一文が重要です。指定しないとAIは教材を増やす提案をしてきます。


スタディサプリ 大学受験講座
秋に新しい参考書を買う代わりに、講義で穴を埋めるほうが速いことがあります。とくに文法の抜けは、独学で拾い直すと時間がかかります。
週の型(英語に週10時間を割ける場合)
時間が違う人は比率だけ真似してください。
9月(二次7・共テ3)
- 長文の精読 週3本(各60分)
- 記述演習(志望校に出る形式に限る) 週2本(各60分)
- 単語帳 毎日15分
- 共テのリーディング通し 月2回(各80分)
- リスニング 毎日15分
- 模試の復習 模試のある週に2時間
10月(二次6・共テ4)
- 志望校の過去問(英語) 週1本+復習
- 長文の精読 週2本
- 記述演習 週2本
- 単語帳 毎日15分
- 共テのリーディング通し 週1回
- リスニング 毎日15分
11月(二次4・共テ6)
- 共テのリーディング通し 週2回+復習
- 共テのリスニング 毎日20分
- 志望校の過去問 週1本
- 記述演習 週1本
- 単語帳 毎日15分
どの月でも守るルール
- 単語帳とリスニングは毎日切らさない。間を空けると落ちる
- 通し演習は必ず時間を計る。計らない演習は本番の役に立たない
- 復習の時間を演習と同じだけ確保する。解くだけでは伸びない
速読の訓練を並行させたい場合は、次の記事の手順が秋にそのまま使えます。


手が止まったときの3つの確認
秋は最も心が折れやすい季節です。動けなくなったら、次の3つだけ確認してください。
1. 2ヶ月前に何をやっていたか思い出す
英語は、やったことが得点に出るまで2ヶ月から3ヶ月かかります。9月の模試が悪かったのは7月の学習が反映された結果です。今の結果は過去の答え合わせであって、今やっていることの評価ではありません。
2. 単語帳が1冊終わっているか
終わっていないなら、それが最優先です。長文が読めない原因の大半は、構文でも背景知識でもなく語彙です。新しい問題集より、手元の単語帳を仕上げるほうが速く効きます。
3. 添削を受けているか
記述型の答案は、独学で伸ばしにくい領域です。自分では正しいつもりで書いた答案が、採点基準では点にならないことがあります。秋のうちに一度、第三者の添削を受けてください。AIでも構いませんが、必ず「褒める必要はありません」と明示して減点箇所だけを出させることです。
小論文が課される大学を志望している場合は、英語と同時並行で進める必要があります。秋から始めて12月に間に合わせるのは、英語より小論文のほうが難しいのが実情です。


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浪人生で記述答案の添削を継続的に受けたいなら、全寮制・完全個別カリキュラムのこの予備校が候補になります。秋からの4ヶ月を独学で管理しきるのは負担が大きい領域です。
まとめ
医学部英語の秋は、新しいことを始める季節ではなく絞る季節です。
押さえるべきことは4つです。
第一に、二次対策と共通テスト対策の時間比を月ごとに変えること。9月は7対3、10月は6対4、11月は4対6、12月は2対8。共テ対策を本格化させるのは11月からです。それより早いと記述が仕上がらず、12月まで放置すると形式に慣れる時間が足りません。
第二に、模試は偏差値ではなく失点の4分類で読むこと。知らなかった、読み違えた、時間が足りなかった、書き方で落とした。この集計が秋の勉強の割り振りを決めます。「時間が足りなかった」なのに単語帳を買い直すのが、最も多い失敗です。
第三に、9月の判定が下がっても方針を変えないこと。理由は母集団の変化、出題範囲の拡大、そして夏の学習がまだ結果に出ていないことです。英語は反映までに2ヶ月から3ヶ月かかります。8月にやったことは10月から11月に出ます。変えるべきは「読み違えた」と「書き方で落とした」が多かった場合だけです。
第四に、教材を増やさないこと。新しい単語帳も長文問題集も英作文の参考書も、秋に追加すると全部が中途半端になります。代わりにやるのは、志望校の過去問を3年分見て出題形式リストを紙1枚に作り、手元の単語帳を1冊仕上げることです。
日程も押さえておいてください。2026年秋の駿台は9月13日に共通テスト模試、9月27日に駿台全国模試、10月11日に記述模試、11月1日に共通テスト模試を実施するとされています。河合塾の全統模試も別日程で行われ、2026年度は両者が重なっていないとされています。共通テスト本番は2027年1月16日・17日、追・再試験は1月23日・24日の予定です。日程は変更されるため、各予備校と大学入試センターの公式発表で必ず確認してください。
共通テストまで4ヶ月あります。9月の判定は7月の答え合わせにすぎません。今からやることは、11月と12月の判定に出ます。英語は4ヶ月あれば十分に変わります。


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