宮崎大学医学部医学科の英語を「長文読解の試験」だと思って準備すると、本番で手が止まります。90分で大問3〜4題。その中身は和訳、内容説明、要約、和文英訳、自由英作文。ある年度は長文1題の中だけで、和訳3問と説明3問と部分英作7問、さらに70語の自由英作文が同居していました。しかも設問文はすべて英語で書かれています。読めるかどうかではなく、90分ペンを動かし続けられるかどうかで決まる試験です。加えて二次比率は37.5%と低く、共通テストが主戦場という構造もある。本記事は、この「書く量」と「配点構造」から逆算した宮崎大英語の攻略法をまとめます。
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宮崎大学 医学部英語の基本データ【2026年版】

まず数字で全体像をつかみます。宮崎大学医学部医学科の前期日程は、共通テスト1000点と個別学力検査(二次試験)600点、合計1600点で合否が決まります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 英語の試験時間 | 90分 |
| 英語の配点 | 200点 |
| 大問数 | 3〜4題(年度により変動) |
| 解答形式 | 記述式が中心 |
| 主な出題 | 長文読解、和文英訳、自由英作文。要約が出る年もある |
| 長文の語数 | 1,100語程度の年もある |
| 設問文の言語 | すべて英語 |
| 英作文の特徴 | 会話成立型のほか、メール文作成の出題も多いとされる |
| 出題テーマ | 医学部固有の問題だが、医系テーマは多くない |
| 二次の内訳 | 英語200点・数学200点・理科200点=600点(面接あり) |
| 共通テスト | 1000点(国語200・地歴公民100・数学200・理科200・外国語200・情報100) |
| 二次比率 | 約37.5%(600点/1600点)。共通テストが主戦場 |
| 2025年度 合格最低点 | 1198点/1600点(74.9%) |
| 2025年度 合格者平均 | 1240点(77.5%)。最高点1343点(83.9%) |
| 2025年度 実質倍率 | 4.2倍(前期の募集人員45名) |
この表で押さえてほしい数字が3つあります。
1つめは二次比率37.5%という低さです。共通テスト1000点に対し二次600点。二次で挽回するという発想が成り立ちにくい設計で、共通テストで作った差はそのまま残ります。宮崎大を志望するなら、まず共通テストで8割前後を確保することが前提条件になります。
2つめは英語の総量です。共通テスト200点と二次200点で、1600点のうち400点が英語です。二次だけを見れば英語は全体の12.5%ですが、共通テストと合わせれば4分の1に届きます。二次の比重が低いからといって、英語を切り捨てる判断は成り立ちません。
3つめは合格最低点の水準です。2025年度は1198点、率にして74.9%でした。合格者平均でも77.5%。全体で75%前後を作れば届くということです。どの科目でも満点は要りません。
なお面接の配点や実施方法、共通テストの情報の扱いは資料によって記載が異なります。配点や募集人員、試験時間は年度によって改定されますので、出願前に必ず宮崎大学の公式募集要項と最新の過去問で確認してください。
宮崎大英語の正体は「書く量」
記述が中心。しかも1題の中に何種類も入っている
宮崎大の英語で最初に驚くのは、1つの大問に含まれる設問の種類の多さです。
2021年度の第1問は、約1,100語の英文に対して、和訳3問、説明問題3問、並べ替え2問、部分英作7問、そして70〜80語の自由英作文という構成だったとされています。長文読解という名前の大問の中に、実質的に4種類の試験が入っていることになります。
第2問は日本語の文章を英語にする和文英訳、第3問は会話を成立させる自由英作文だったとされ、大問3題のうち2題が完全に「書く」問題でした。年度によっては大問が4題になり、要約が加わることもあるとされています。
つまり宮崎大の英語は、読解力を測る試験の形をしていながら、実際に採点されているのは書く力です。長文を速く読む訓練だけを積んできた受験生は、読み終えたあとに何も書けずに時間だけが過ぎます。
記述量が多く、全問題を時間内に完璧に解くのは難しいとも指摘されています。ここが重要で、この試験は完答を前提に設計されていません。
設問文がすべて英語という第二の壁
もう1つの特徴が、設問文がすべて英語で書かれているとされる点です。
これは単なる読みにくさの問題ではありません。設問の動詞が要求を決めるからです。Explain と Describe と Discuss では、書くべきものがまったく違います。Give two reasons と書いてあるのに理由を1つしか書かなければ、半分しか点は来ません。In your own words とあるのに本文を写せば、内容が合っていても減点されます。
英文が読めていても、設問文を読み流した瞬間に失点が確定する。これが宮崎大でよくある失点の形です。
対策は単純で、試験開始直後の2分を使って設問文を全部読み、余白に日本語で「何を書くか」をメモすることです。和訳、理由説明、英作文70語、のように書き出しておく。この2分で設問の取り違えはほぼ消えます。
Gou宮崎大の過去問を解かせると、英語が得意な生徒ほど時間切れになります。理由は簡単で、全部を丁寧に完成させようとするからです。この試験で必要なのは完成度ではなく、白紙をゼロにすること。7割の出来の答案を全部出すほうが、完璧な答案を半分出すより点が高くなります。
大問別攻略法(長文記述・和文英訳・自由英作文)
長文の記述設問は「設問の動詞」から逆算する
長文に付く設問は、和訳、内容説明、部分英作、並べ替えと多岐にわたります。処理の順番を固定してください。
まず設問文の動詞を確認し、何を書くかを決める。次に本文の該当箇所を特定する。それから書き始める。この順番を守るだけで、設問とずれた解答が減ります。
和訳では、代名詞を本文の名詞に置き換えること、関係詞節がどの語を修飾しているかを確認すること、無生物主語を「〜によって」「〜のおかげで」と自然な日本語にすることを習慣にしてください。書き終えたら音読して、日本語として通じるかを確かめます。
日本語の説明問題では、文末を設問に合わせます。理由を問われたら「〜から。」、言い換えを問われたら「〜ということ。」。指示語は必ず中身の名詞に開いてください。
部分英作は、本文の文脈に合う語句を英語で埋める形式です。ここは難しい表現を狙わず、確実に綴れる語で書くのが正解です。1問あたりの配点は小さいので、悩む時間を長文全体の処理に回してください。
和文英訳は「日本語を先に壊す」
日本語の文章を英語にする設問では、日本語をそのまま英語に置き換えようとした瞬間に崩れます。英語にする前に、主語つき・動詞中心の平易な日本語へ書き直してください。
「一朝一夕にはいかない」は、まず「短い時間ではできない」に直してから cannot be done in a short time。「〜を余儀なくされる」は「〜するしかない」に直してから have no choice but to …。「価値観の多様化」は「人々の考え方が以前より違ってきた」に直してから people now think in many different ways。
とくに日本語は主語を省きます。「〜と言われている」には It is said that …、「〜しがちだ」には We tend to … と、主語を立ててから英語に入る。書き直した日本語が中学英語で書ける水準になっていれば、その英訳はほぼ成功します。
自由英作文とメール文は「型」で処理する
自由英作文は、会話を成立させる形式や、メール文を書かせる形式が出題されることも多いとされています。
意見型なら6文の型に流し込みます。立場を1文目で言い切り、In other words で範囲を絞り、The first reason is that … で理由1、For example で具体例、Second で理由2、For these reasons で結論。70〜80語ならこれで足ります。
メール文は内容より形式で落とします。呼びかけ、目的の1文、本題2〜3文、相手への配慮の1文、結び、署名。この6要素を順番に置いてください。教授宛てに Hi、友人宛てに Sincerely といった敬語レベルのずれは、それだけで減点対象です。書き始める前に、相手が誰かを設問文で必ず確認します。
会話成立型では、空所の後の相手の反応から逆算するのが最短です。相手が Sure, I’d be happy to. と答えているなら、空所に入るのは依頼文です。
90分の時間配分
推奨する配分は次の通りです。
- 最初の2分 設問文を全部読み、何を書くかを余白にメモする
- 40分 大問1の長文読解と記述
- 20分 和文英訳
- 20分 自由英作文
- 10分弱 見直し(三単現・時制・冠詞・語数を優先)
時間が足りなくなったときの優先順位も、先に決めておいてください。第一に語数指定のある英作文です。白紙はゼロ点ですが、7割の出来なら相応の点が返ってきます。第二に部分点が確実に来る和訳。第三に内容説明です。
各大問の中では「書ける設問から埋める」。和訳で詰まったら飛ばして内容説明へ。英作文で単語が出てこなければ、知っている易しい単語で書き切る。難しい単語で減点されるより、易しい単語で満点を取るほうが賢い戦略です。
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二次比率37.5%が意味すること
宮崎大を志望するうえで、配点構造の理解は英語の対策と同じくらい重要です。
共通テスト1000点に対し、二次は600点。全体の37.5%しかありません。国公立医学部には二次比率が5割を超える大学も珍しくないなかで、宮崎大は共通テストの比重が明確に高い設計です。
これが意味するのは2つです。
1つは、共通テストで沈むと取り返しがつかないこと。共通テストで50点落とすと、二次の1科目分の4分の1を先に失った状態で試験に臨むことになります。二次3科目で50点差を作るのは容易ではありません。
もう1つは、逆に共通テストで作った貯金は減りにくいということです。共通テストで8割を超えていれば、二次で大崩れしない限り合格ラインに残ります。宮崎大は共通テスト型の受験生にとって、狙いやすい大学だと言えます。
その前提で英語の目標を考えると、二次英語で満点を狙う必要はまったくありません。合格最低点は全体で74.9%。二次の英語で7割を確保できれば十分に届きます。白紙を作らず、部分点を積む。この一点に集中してください。
英作文に力を入れすぎて共通テストのリーディング対策が薄くなる、というのが宮崎大志望者にありがちな失敗です。共通テストの英語200点と二次の英語200点は同じ重みだと覚えておいてください。
AIを使った宮崎大学英語 ロードマップ


宮崎大の英語で独学が詰まる箇所ははっきりしています。書いた英文が正しいかどうかを、自分では判断できないことです。和文英訳も自由英作文もメール文も、模範解答と見比べるだけでは「なぜ自分の答案が減点されるのか」が分かりません。ここはAIで埋められます。
ステップ1(6ヶ月前まで): 英語の設問文に慣れる
いきなり英作文の量を増やさないでください。まず設問文を読む練習からです。
AIにはこう頼みます。「大学入試の英語長文で使われる設問文を、すべて英語で10個作ってください。Explain、Describe、Discuss、Summarize、Give reasons、In your own words を混ぜてください。そのあとに、それぞれの設問が日本語で何を要求しているかを1行で示してください」。
動詞ごとの要求が即座に判別できるようになれば、本番で設問を読み違えることがなくなります。1日10問、2週間で身につきます。
並行して、日本語の書き換え練習も始めてください。「以下の日本語を、慣用表現や抽象名詞を使わない平易な日本語に書き換えてください。小学生に説明するつもりで、主語を補い、動詞中心にしてください。英訳はまだ書かないでください」。素材は新聞のコラムで構いません。1日1文で十分です。
ステップ2(3ヶ月前まで): 週2本の英作文をAIに削らせる
和文英訳を週1本、自由英作文を週1本。この頻度を3ヶ月続けてください。
添削の指定はこうです。「以下は大学入試の和文英訳の答案です。褒めないでください。減点される箇所だけを、文法ミス、語法ミス、日本語の意味を取り違えている箇所の3種類に分類して列挙してください。模範解答は書かず、私の答案を最小限だけ直した修正版を最後に示してください」。
「褒めないでください」と「模範解答は書かないでください」を入れるのがコツです。模範解答を見ると、自分の答案の問題点ではなく他人の正解を覚えてしまいます。必要なのは、自分の癖がどこで減点されるかという情報だけです。
メール文には専用の指定を使います。「相手との関係(教授、友人、初対面の相手)に対して敬語のレベルが適切かをまず判定してください。そのうえで、書き出し、目的の提示、本題、結び、署名の5要素のうち欠けているものを指摘してください」。形式点を落とさなくなります。
演習素材も自作できます。「大学入試を想定した英文を1つ作ってください。1000語程度で、テーマは社会、科学、教育、環境のいずれかにしてください。そのあとに、設問をすべて英語で作ってください。下線部和訳2問、内容説明2問、語句整序2問、70語程度の自由英作文1問を含めてください」。宮崎大の設問バランスを再現できます。


ステップ3(直前期): 90分の通し演習で記録するのは白紙の数
過去問を90分で通して解き、記録するのは総得点ではありません。次の2つです。
- 白紙の設問を作らなかったか
- 語数指定のある英作文を、指定の8割以上で書き切れたか
そのうえで、落とした設問の原因を「設問の読み違い」「日本語の意味の取り違え」「英語表現の不足」「時間切れ」に分類してください。時間切れが多いなら配分を変え、表現不足なら英作文の頻度を上げる。原因ごとに打ち手が違います。
共通テスト対策も同時並行で続けてください。二次比率37.5%という設計上、直前期に二次だけへ全振りするのは危険です。
併願戦略と予備校の選び方
宮崎大学を志望する九州の受験生にとって、共通テストの結果次第で鹿児島大学や佐賀大学が出願変更の候補になります。ただし英語の設計は各校で違います。
宮崎は90分・200点で記述中心、しかも設問文がすべて英語。鹿児島は英検準1級で共通テスト英語が満点みなしになる制度があり、二次は全問記述の高得点勝負です。佐賀は100分・大問4題でほぼ全問記述、300字要約と図表英作文が出ます。同じ九州でも、必要な準備は同じではありません。
出願校を切り替えるなら、まず英作文の分量と形式を確認してください。和文英訳中心なのか、自由英作文中心なのか、要約が出るのか。ここが違えば、直前期の1ヶ月でやるべきことが変わります。




共通テストの比重が高い大学ですから、共通テスト対策の質がそのまま合否に直結します。現役生で学習時間の確保が難しい場合は、スキマ時間に使える映像講座が有効です。
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二次比率37.5%の宮崎大では、共通テストで8割を先に作るのが最短ルートです。通学時間で基礎を回せるのは大きい。
まとめ
宮崎大学医学部医学科の英語は、90分・200点で大問3〜4題。和訳、内容説明、要約、和文英訳、自由英作文と、ほぼ全問が記述です。
やるべきことは3つです。第一に、読む訓練ではなく書く訓練に時間を配分すること。長文1題の中に和訳も部分英作も自由英作文も同居します。読み終えてから書き始めるのでは間に合いません。
第二に、設問文が英語であることに慣れること。Explain、Describe、Discuss、Give two reasons、In your own words。動詞が要求を決めます。試験開始直後の2分で設問文を全部読み、何を書くかを余白にメモしてください。
第三に、完答を狙わないこと。記述量が多く、全問を完璧に仕上げるのは難しいとされています。狙いは白紙をゼロにすること。7割の出来の答案を全部出すほうが、完璧な答案を半分出すより点が高くなります。
数字も正しく持ってください。共通テスト1000点と二次600点で合計1600点、二次比率は約37.5%。二次の内訳は英語200点、数学200点、理科200点で、面接も課されます。2025年度の前期は合格最低点1198点(74.9%)、合格者平均1240点(77.5%)、実質倍率4.2倍でした。
必要なのは全体で75%です。二次英語で満点は要りません。共通テストで8割前後を作り、二次では白紙を作らず部分点を積む。それが宮崎大で最も再現性のある戦い方です。




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