「国公立医学部の英語だから、和訳と英作文を仕上げなければ」。岐阜大学志望なら、その前提を一度捨ててください。岐阜大学医学部医学科の二次英語は、下線部和訳も、内容説明の論述も、自由英作文も、ここ数年出題されていません。出るのは文法語法と、1000語を超える長文2題。しかも設問は国公立の中でも突出して選択式が多い構成です。ところがこの英語は400点。二次1200点のちょうど3分の1で、数学400点・理科400点と完全に同額です。書かない試験なのに、配点は逃げられない。本記事は、岐阜大医学科の英語を「記述力の試験」ではなく「消去法の精度と処理速度の試験」として設計し直し、AIで形式ごとに穴を潰す方法を解説します。
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岐阜大学 医学部英語の基本データ【2026年版】

まず数字で全体像を押さえます。岐阜大学医学部医学科の前期日程は、共通テスト950点と個別学力検査(二次試験)1200点の合計2150点で合否が決まります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 英語の試験時間 | 90分(2026年度から短縮されるという情報があり、要確認) |
| 大問構成 | 文法・語法1題+長文読解2題(年度により大問のまとめ方が変わる) |
| 長文の量 | 1題あたり1000語を超えることがある |
| 設問形式 | 空所補充・同義語選択・同意表現選択・脱文挿入・語句整序・内容正誤・会話文 |
| 記述問題 | 下線部和訳・内容説明・自由英作文はここ数年出題なし |
| 二次 英語の配点 | 400点 |
| 二次の内訳 | 英語400点・数学400点・理科400点=1200点(面接は総合判定資料) |
| 共通テスト | 950点(国語200・数学200・理科200・英語200・地歴公民100・情報50) |
| 二次比率 | 約56%(1200点/2150点) |
| 募集人員 | 前期日程55名 |
| 目標得点 | 英語400点中280点(7割)が目安とされる |
注目してほしいのは二次の内訳です。英語400点、数学400点、理科400点。3科目が完全に同額で、面接は配点を持たず総合判定の資料として扱われます。つまり英語は二次のちょうど3分の1です。
そのうえで、この400点分の試験に和訳も英作文も出ません。他の国公立医学部で必須の「日本語で説明する力」「英語で書く力」を、岐阜大は少なくとも近年ほとんど問うていないのです。
2025年度入試の合格最低点は、2150点満点で1589.90点、率にして73.9%でした。前期の募集人員は55名、2025年度の実質倍率は2.2倍です。
なお試験時間については、2026年度から90分より短くなるという情報が予備校系の情報サイトに見られる一方、大学公式の入試情報ページでは確認できませんでした。時間が変われば戦い方が変わる要素なので、出願前に必ず岐阜大学の公式募集要項で確認してください。配点・募集人員・面接の扱いも年度により改定されます。
岐阜大英語が「書かない試験」であることの3つの意味
意味1: 記述対策の時間を丸ごと他に回せる
多くの国公立医学部志望者は、英語の学習時間の相当部分を和訳と英作文の練習に使います。添削してくれる相手を探し、返却を待ち、書き直す。この往復は時間がかかります。
岐阜大が第一志望なら、その時間の大部分を数学と理科に回せます。二次1200点のうち数学400点・理科400点が英語と同額である以上、これは戦略的に大きな意味を持ちます。
ただし条件が1つあります。共通テストで英語のリーディングとリスニングを取り切ること、そして併願校が記述を課さないことです。併願先に和訳や英作文が出る大学を置くなら、記述の練習は当然必要になります。
意味2: 選択式が多いぶん「部分点」が存在しない
記述試験なら、方向性が合っていれば部分点が入ります。選択式にはそれがありません。合っているか、ゼロかの二択です。
岐阜大の設問は国公立の中でも特に選択式が多い構成です。空所補充、同義語選択、同意表現選択、脱文挿入、内容正誤。どれも二択まで絞ってから外すと、そこまでの読解がすべて無駄になります。
だからこの試験で伸ばすべきは、英文を読む力そのものより、選択肢を切る作業の精度です。「なんとなくこれっぽい」で選んでいる限り、7割の壁は越えられません。
意味3: 1000語超×2題を90分で処理する速度が要る
英文の量は軽くありません。長文は1題あたり1000語を超えることがあり、それが2題。加えて文法語法の大問があります。テーマは自然科学系が中心です。
文法語法に20分を使うと、長文2題に残るのは60分台。1000語の英文を読み、選択式の設問を処理して、30分強で1題を終える計算になります。前から一語一句訳している余裕はありません。
さらに試験時間が短縮される年度なら、この圧力はもう一段上がります。速く読む練習は、岐阜大対策では贅沢品ではなく必需品です。
Gou岐阜大志望の生徒に必ず言うのが、過去問を解いたら「間違えた選択肢をなぜ選んだか」を一言で書き残してくださいということです。選択式は答え合わせが速く終わるぶん、振り返りが雑になります。全体と一部のすり替えに引っかかったのか、根拠箇所を探さずに雰囲気で選んだのか。理由を書き出すと、同じ罠に二度はまらなくなります。
大問別攻略法(文法語法/長文2題/脱文挿入・語句整序)
文法・語法は20分で回収する
大問1は空所補充、同義語選択、会話文が中心です。ここは知識で決まる領域なので、考え込む時間はほぼ不要です。20分で終える設計にしてください。
優先して固めるのは次の項目です。時制と相の使い分け。仮定法(if の省略と倒置、wish、as if)。助動詞+have+過去分詞。準動詞(remember や stop のように不定詞と動名詞で意味が変わる動詞)。関係詞(関係代名詞の what、前置詞+関係代名詞)。比較(no more than と not more than の差)。そして会話文の定型表現です。
同義語選択は語彙力の勝負に見えますが、実際には接頭辞と語幹で推測できる問題が混ざります。知らない単語が出たら、選択肢の中で意味が近いものを2つに絞り、文脈と品詞で決めてください。
長文2題は「設問を先に読む」で速度を作る
1000語級の長文で最も損なのが、本文を全部読んでから設問に向かうやり方です。読み終わった頃には前半の内容が薄れ、結局読み直すことになります。
手順を固定してください。まず設問だけに目を通し、内容正誤の選択肢まで軽く眺めます。次に本文を段落単位で読み、段落の要点を余白に3語程度でメモします。設問に該当する箇所に来たらその場で解きます。最後に内容正誤をまとめて処理します。
段落メモは、内容正誤で根拠箇所を探すときに効きます。1000語の本文から根拠を探し直す時間が、メモ1行で数十秒に縮まります。
テーマは自然科学系が多いので、遺伝と進化、環境と気候、医療と健康、脳と認知、科学技術と社会の5分野は背景知識ごと押さえておくと読む速度が変わります。
脱文挿入は「直前」を見る
岐阜大の長文で差がつくのが脱文挿入です。感覚で入れると外します。
挿入する文の中の指示語(this / these / such)と接続語(However / Therefore / For example)を先に丸で囲んでください。指示語が指しているはずの内容を一言で言語化し、候補箇所の直前にその内容があるかを確認します。多くの受験生が直後を見て判断しますが、指示語は前を指すので、確認すべきは直前です。
入れたあとに、挿入位置の直後の文が自然につながるかを確かめれば完了です。
語句整序は語数を数えて終わる
並べ替えたあとに不要な語を1つ選ばせる形式が出ます。手順は4つです。文脈から言いたいことを日本語で一言にする。語群から述語になれる動詞を探す。主語と述語を先に組み、残りを修飾として付ける。最後に使った語数を数える。
4番目を飛ばす人が本当に多いです。不要語を選ぶ形式では、余った語がそのまま答えになります。数えずに提出しないでください。
狙われるのは分詞構文、仮定法、強調構文、関係詞の4分野です。この4つの骨組みを口に出して言えるようにしておくと、語群を見た瞬間に組み立てが見えます。
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AIを使った岐阜大学英語 ロードマップ


岐阜大対策が独学で詰まる理由ははっきりしています。選択式は答え合わせが一瞬で終わるため、なぜ間違えたのかを言語化しないまま次に進んでしまうからです。ここがAIの出番です。
ステップ1(6ヶ月前まで): 誤答の理由を分類させる
過去問や模試で間違えた設問をまとめて貼り、こう頼みます。「それぞれを、文法語法、空所補充、同意表現選択、脱文挿入、語句整序、内容正誤の6つに分類してください。そのうえで、どの形式で落としているかを頻度順に並べ、その形式に共通する原因を3行以内で指摘してください」。
「読解力不足」だと思っていたものが、実は内容正誤で全体と一部のすり替えに毎回引っかかっているだけだった、という切り分けができます。原因が特定できれば対策は数日で終わります。
ステップ2(3ヶ月前まで): 形式を絞って量産させる
市販教材は形式がバラけていて、岐阜大が出す形式に集中できません。AIに絞らせてください。
脱文挿入なら「自然科学をテーマにした500語の英文を作り、文を1つ抜き出して脱文挿入問題にしてください。挿入箇所の候補を4つ示し、正解と、指示語や接続語のどこを手がかりにすべきかを解説してください」。
語句整序なら「語句整序問題を10問作ってください。狙う文法項目は分詞構文、仮定法、強調構文、関係詞の4つに絞り、語群には不要な語を1語混ぜてください。日本語訳、正解の語順、不要語、狙っている文法項目を示してください」。
10問単位で頼むのがコツです。同じ形式を続けて解くことで、手順が体に入ります。
内容正誤の練習では、正解の根拠だけでなく「誤りの選択肢がなぜ誤りか」を、全体と一部のすり替え、因果の逆転、本文にない比較、の3分類で説明させてください。切り方が身につきます。
ステップ3(直前期): 90分通し演習で速度と精度を同時に測る
通し演習では、形式別の正誤に加えて所要時間を記録します。大問1が20分を超えていないか。長文1題が30分台で収まっているか。この2つが崩れていると、本番で最後の設問に手が回りません。
時間配分は、大問1に20分、長文Aに30分、長文Bに30分、見直しに10分。試験時間が短縮される年度なら、長文を各27分、見直しを7分に圧縮してください。削るのは見直しではなく長文の再読です。
見直しの10分は文法の全チェックではありません。マーク漏れの確認と、二択で迷った問題の再検討だけに使います。そして一度選んだ答えを、根拠なく変更しないでください。選択式の見直しで最も多い失点が、正解から書き換えてしまう事故です。
最後にもう1つ。英語は二次の3分の1ですが、残りの3分の2は数学と理科です。英語で7割(280点前後)が安定したら、そこで止めて数学と理科に回してください。岐阜大の二次は標準的な良問で構成されており、難問を1つ攻略するより取り切る精度で決まります。
併願戦略と予備校の選び方
岐阜大学を志望する東海地区の受験生にとって、共通テストの結果次第で名古屋大学、名古屋市立大学、三重大学、浜松医科大学が併願・出願変更の候補になります。ただし英語の設計はそれぞれ大きく異なります。岐阜大が「書かない選択式」であるのに対し、名古屋大学は設問文まで英語で出され、三重大学は長文の中に英作文が仕込まれています。同じ東海だからと同じ対策で臨むと足をすくわれます。






私立を併願する場合、愛知県の藤田医科大学と愛知医科大学が地理的に現実的な選択肢です。特に愛知医科大学は全問マーク式なので、岐阜大の選択式対策がそのまま活きます。




1000語級の長文を時間内に処理する速読力は、岐阜大対策の生命線です。AIを使った具体的な訓練手順は次の記事にまとめています。


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まとめ
岐阜大学医学部医学科の英語は、90分・400点。文法語法1題と1000語級の長文2題という構成で、下線部和訳も内容説明も自由英作文もここ数年出題されていません。設問は国公立の中でも突出して選択式が多く、部分点は存在しません。
英語400点は二次1200点の3分の1で、数学400点・理科400点と完全に同額です。書かない試験ですが、逃げられない配点です。2025年度の合格最低点は1589.90点(2150点満点、73.9%)でした。
やるべきことは3つに絞れます。第一に、大問1の文法語法を20分で回収する知識の土台を作ること。仮定法、準動詞、関係詞、比較、会話文の定型表現が中心です。第二に、選択肢を切る作業を言語化すること。全体と一部のすり替え、因果の逆転、本文にない比較。この3つで誤答の大半は説明がつきます。第三に、1000語の長文を設問先読みと段落メモで30分に収める速度を作ることです。
そして英語で7割(280点前後)が安定したら、そこで止めて数学と理科に回してください。記述対策に費やさずに済む時間こそが、岐阜大志望者に与えられた最大のアドバンテージです。




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